永遠の君へ ~禁断の愛の果てに~
いつの間にか、いびきをかいて眠っている夫を横目に見ながら、私は答える。
「わかった。今度、食べたいもの全部作ってあげる。」
光は右手をポケットから出し、髪をかきあげた。
首を45度傾けた光が、私を見つめた。
そして、ゆっくりと一歩ずつ私に近付いてくる。
私の目の前で止まった光。
右手を私の頭の上に乗せ、二度弾ませた。
「ありがと。藤乃…」
お手伝いさんの洗い物の音と、
いびきの音が響くリビングで…
光が私の頬にキスをした。
ほのかに香る男の匂い。
ドキドキする香水の香りと光の髪の匂い。
もう男の子じゃない。
光は…男。
光の唇が触れた自分の頬が熱い。