永遠の君へ ~禁断の愛の果てに~
その夜、夫が私を求めなかったことにホッとした。
私は、目を閉じるのが怖かった。
暗闇の中で私に微笑むのは、夫ではなく光だった。
火照った頬に手を当てて、眠れない夜を過ごした。
翌朝、顔を合わせた私と光は、何事もなかったかのように食事をした。
「藤乃のおかげで、光がよく顔を見せるようになったな。」
夫は、嬉しそうに私と光の顔を交互に見た。
登校前の光は、髪を耳にかけていた。
私は、光の右の耳の下にほくろがあることを知ってしまった。
夫が仕事に行くと、私は広い寝室の窓から外を眺めながら、
昨夜のことを思い出していた。
頬に手を当てると、まだ光の温もりが残っていた。