永遠の君へ ~禁断の愛の果てに~
私は、夕食の準備を終えると中庭で白梅の木の手入れをした。
3人で食事をした際に、光が言っていた。
『俺の母さんが植えた木なんだ。白い梅が好きだったんだって。』
私が昔、母から聞いた話では、光のお母さんはとても色の白い上品な人だったそうだ。
中庭から見える玄関の大きな時計が夕方の4時を示していた。
そろそろ光が帰ってくる時間。
そう思った瞬間、私の心臓はまた激しく高鳴る。
いけないことだと思えば思うほど、私の鼓動は速くなる。
光を男として意識してしまっている自分を恥ずかしく思う。
彼はまだ高校生。
私は、光からの頬へのキスを忘れようと必死に庭の手入れをしていた。
でも…
風が吹くと、思い出す。
料理をしていても、
掃除をしていても…
何をしていても、忘れることはできなかった。
池の鯉が跳ねると、水面に光のあの澄んだ瞳が浮かぶんだ。
その時、玄関に光の姿を見つけた。
私は、気付かないフリをして、ただうつむいて水面を眺めていた。