永遠の君へ ~禁断の愛の果てに~
光もまた、気付いているのに気付いていないフリをして、自分の部屋へと向かった。
一瞬しか見ていないのに光の姿ははっきりと記憶された。
朝は耳にかけていた髪を軽く結んでいて、ちらっと見えたネクタイは首元を緩めていた。
光は不思議な子だ。
無邪気な笑顔を見せたかと思えば、突然そっけなく冷たい顔をしたりする。
今だって、私は期待していたんだ。
『藤乃!ただいま!』って玄関から私に手を振ってくれること。