永遠の君へ ~禁断の愛の果てに~
玄関の大きな時計は、午後10時を最後に静かになる。
最後のボーンボーンという音を聞きながら、窓の外を眺めていた。
寝付くことが出来ずに、桜の匂いのお香を焚いた。
夫の葉巻の匂いを消すために、時々昼間お香を焚くことがあったが、夜は夫が嫌がるので隠していた。
開けた窓から私の部屋へ入ってくる夜の風が、白いカーテンを揺らす。
――トントン
ノックをしたのは、窓の外から私を見ていた月の中のうさぎだろうか。
それとも…