永遠の君へ ~禁断の愛の果てに~
桜の香りが漂う部屋で、光はため息をついた。
「俺の目を見てよ、藤乃・・・」
寂しそうに呟く光から私は目をそらしたまま言った。
「私も光を息子だと思ったこと…ないの。」
言ってはいけないと誰かが私を止めるのに、その制止を振り切ってしまう私がいた。
「でも…だめだから。もう、明日から私はこの家から出ます。お父さんが帰ってくるまで、この家をよろしくお願いします。」
求めているのに、拒絶してしまう理解できない私にきっと光は呆れてる。
そう思った瞬間、目をそらしていたせいで光の動きが見えなかった。
私は温かな腕に抱かれていた。
パジャマ姿の私を抱きしめた光は、私が振りほどこうとしてもそれを許さなかった。
「藤乃…俺、初めて藤乃に会った時から、好きだった。俺の初恋だったんだ。藤乃は覚えていないと思うけど、まだ俺が小学校だった頃…」
光はそこまで言うと腕の力を緩めた。
「光・・・覚えてたの?私も覚えてるよ。かわいい男の子だったあなたが、こんなにも素敵な男の人になってて…私もどうしていいかわからないの。」
腕の力を緩めても、もう私はその腕を振りほどこうとはしなかった。