永遠の君へ ~禁断の愛の果てに~
そこには、
あの日と同じ白いシャツを着た光が立っていた。
光の後ろに見えた白梅の木には、たくさんの花が咲いていた。
もうすっかり暗くなった空を見上げた光が言う。
「やっと、帰ってきた・・・」
優しく、そして・・・激しく私の体を抱きしめた。
手に持っていた荷物を落としたことに気が付いたのはしばらくしてからだった。
「藤乃・・・俺、寂しくて仕方がなかった。会いたかった・・・」
私と光は、月の美しい夜に、庭先でキスをした。
激しいキスと、光の甘い声に私は立っていられなくなった。
光に支えられ、いつしか庭の芝生の上に座っていた。
「ごめん・・・藤乃。俺、嘘ついた。父さん明日帰って来るって嘘なんだ。」
そう言いながら、光は私を芝生に優しく押し倒す。
背中に刺さる芝生は、私の心にまで届かない。
夫を裏切っていること、相手が息子であること・・・
それを、思い出させてくれるほどのチクチクした感触ではなかった。