永遠の君へ ~禁断の愛の果てに~


夏休みが終わり、光が帰国した。




私の体調を案じてか、光は私に問い詰めたりはしなかった。


時々顔を合わせても、「大丈夫?」と優しくお腹を撫でるだけだった。




そして、最初に私の子供を抱いたのは、夫ではなく光だった。




私と、月だけが知っている秘密。



本当の父親に抱かれた息子は、嬉しそうに目を開けた。



『泉輝』と名付けられた息子。



その名付け親が光だと知って、私の心が激しく揺れた。





体調の戻った夫は、仕事が忙しくまだ泉輝を抱けないままだった。




その間、毎日のように光が、私と泉輝のそばにいてくれた。







「みずき!昨日より大きくなったなぁ!」




本当の父であるまだ16歳の光が、小さな泉輝を抱く。





また少し背が伸びた光は、私の心を捕らえて離さない。


英語で書かれた本を読みながら、足を組む光が

目の端に入り、

私のときめきは、止まることがなかった。




< 52 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop