永遠の君へ ~禁断の愛の果てに~
毎朝、目覚めると涙を流していた。
夢の中では、いつも泉輝を抱いていた。
離れることが愛だと思っていたが、私はこれで正しかったのだろうか。
醜くても、誰にどう思われても、愛する子供のそばにいることが愛なのではないか・・・
私は悩み続けた。
もしも、総理大臣の妻という立場でなかったら、違う選択ができたかも知れない。
でも、私は総理大臣の妻。
総理大臣である夫と、その息子である光と泉輝にとって一番恐ろしいことはスキャンダルだ。
妻の浮気や、息子の非行などで政界にいられなくなった大物を何人も見てきた。
私の選んだ道は間違っていますか?
月に問いかけるが、答えてはくれない。
自業自得だった。
でも、後悔だけはしたくない。
愛する光との間に授かった宝物のような泉輝。
あの子と出逢えたことが何よりも幸せだった。