永遠の君へ ~禁断の愛の果てに~
木造の小さな建物。
そこは孤児院だった。
そこで暮らす半数以上の子供が教会に捨てられていた子供だと知り、私は胸を痛めた。
毎日、教会へ行った後、孤児院へ出かけた。
そこで、たくさんの子供と追いかけっこやかくれんぼをして過ごした。
なぜだか、私の心の中から孤独や迷い、後悔が、消えかけていた。
そこで一人の女性と出逢った。
ボランティア活動をしているその女性から、ボランティア団体で働かないかと声をかけられた。
私は、迷うことなく頷いた。
ボランティアをすることは、政治家の妻として、将来政治家になる息子の為にも・・・プラスになることだ。
そして、何よりも私自身の満たされない気持ちを消してくれるものだった。
私は、寄付をすると共に、その団体の本部で働くことを決意した。
ボランティア団体への寄付金の噂は瞬く間に広まった。
『首相の妻がボランティア活動』との記事が週刊誌や新聞を騒がせた。
いつの間にか、孤児院へ顔を出すと、多くの子供が走り寄ってきてくれるようになった。
会えない愛しい我が子の面影を探しつつ、私は親のいない子供達をいつしか我が子だと思うようになっていた。