永遠の君へ ~禁断の愛の果てに~
第九章
ある朝、いつものように教会で祈りを捧げている時だった。
コツコツと足音が聞こえ、振り向くと、一人の男性の姿があった。
朝日を背に浴びたその人は、逆光で顔がはっきり見えなかった。
「光・・・」
顔が見えなくても、その人が光であることはわかる。
随分背が伸びて、髪も伸びていた。
鍛えられた体は、以前よりもひと回り大きく感じられた。
スラッとした長い足。
一歩ずつゆっくりと近付いてくる光を、ただじっと見つめていた。
「藤乃・・・元気そうで安心した。俺のせいで、藤乃の人生狂わせちまったな・・・」
光の顔がはっきりと見えた。
「光・・・変わってない・・・」
白い肌、透き通るような美しい瞳・・・
サラサラの髪。
少し大人っぽくなった光は、あの日と同じ白いシャツを着ていた。