嘘恋シアター
「…しょうがないじゃん。
なんか特に理由ないんだけど好きになっちゃったんだもん。」
ぶーたれながらミートボールを口にいれる。
はっ!
『ぶー』と『ミートボール』が
上手くかかってる!
「…ぶたさん…」
わたしの意味不明なつぶやきを
眉にシワを寄せて
ぶたさん…?
って聞き返す恵ちゃん。
「なんてべにらしい理由なの」
あ、ぶたさんはスルーしたな。
「わたしにはムリだ。でもちょっと尊敬。」
やれやれってしながらタコさんウインナーくれる恵ちゃんをスゴく大好きだと思う。
即座にタコさんを頬ばると、急に橋本くんがこっちを向いた。
目が合った。
びっくりして目を見開く。
息じゃなくて、のどを通過中のタコさんがつまる。
すると、橋本くんはこっちにスタスタやって来た。