迷惑なイケメンに好かれました。
ふと、そう訪ねてきたのは近野さん。
何で好きになった、か…。
「俺の名前、知ってる?……あ、苗字じゃなくて、下の名前ね」
だから、そんなこいつ何言ってるの?的な感じの目で見ないで、お願いだから。
「──かおる、でしょ?」
当たり前のように、俺の名前を口にしたのは柳瀬さん。
「 そう、薫。小学生の頃とか、女みたいな名前、ってよくからかわれてさ。俺、自分の名前が嫌いだったんだ」