Music Art Fair
 部屋の中からは姉さんの笑い声が聞こえます。きっと、何日か徹夜して絵を描くのでしょう。そして眠るのです。

 姉さんの笑い声が聞こえなくなった時、僕はそっと姉さんの部屋に入りました。
 案の定、姉さんの部屋は絵の具塗れ。また新しいシーツを買わなくてはなりません。
 姉さんは一人では何も出来ません。放っておいたら餓死してしまいます。
 だけど、やっぱり絵の腕だけは確かで。
 ベッドに置かれたキャンパスの上には、美しい黒髪の天使が描かれていました。
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