雪の足跡《Berry's cafe版》

 目頭が熱くなる。鼻が垂れそうになり鼻を啜る。母をひとりにしている罪悪感。母を一人ぼっちにしているのは紛れもなく私なんだ……。


「美味しい……」


 そのまま鼻を啜りながらご飯を食べる。ポロポロと涙が零れ落ちる。八木橋を前に恥ずかしいとは思うけど止められる筈もなく、ご飯を口に押し込む。


「ファザコンにマザコンにホームシックかよ。お前ケツ青いんじゃねえの?」
「あ、青くなんかないわよっ! ヤギだって見たでしょっ!」


 八木橋に煽られて、つい口に出した台詞に恥ずかしくなる。一気に顔が熱くなった。


「アホ」


 八木橋を見ると肩を振るわせている。本当に面白いなユキは、とクスクスと意地悪に笑う。


「泣いて怒って忙しい奴。見てる俺も忙しいわ」
「だ、大体ヤギが変なこと言うからよ! エロヤギっ!」


 ヤギはゲラゲラと笑う。


「早く食えよ。食ったらミニコンビニ行くぞ」


 まだ笑っている。


「コンビニ?」
「それとも俺のトランクス履く? 貸してやってもいいけど」


 再び顔が熱くなる……。

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