雪の足跡《Berry's cafe版》
「え、エッチ! そ、想像したでしょ??」
「何をだよ」
「私のパンツ!」
「いちご柄の?」
「そんな子供染みたパンツなんて履いてないわよっ!!」
八木橋は相変わらず笑っていたけど、なんか少し、優しく微笑んでる気がした。
「やっといつものユキに戻ったな」
八木橋は、ふう、と軽く息を吐いた。私の顔を見つめたまま、微笑む。
「ひ、ひとのパンツの心配してる暇があったら、自分の心配したらどうなのよ……」
何故、何故八木橋は私に優しくするんだろう。遊びで抱いたなら放っておけばいいのに。雪道で寒い思いしたって八木橋には関係がないのに。八木橋の顔を見るのも辛くて俯いた。
「……明日、県の決勝なんでしょ?? 私のことより自分のこと考えたら?」
「そういう訳にはいかないだろ」
「私のこと好きな訳?」
「そんなんじゃねえよ。お前、自意識過剰じゃねえの?」
私は下を向いたままご飯を食べる。はっきりと言われて堪えた……。
「……なら、構わないでよ」