雪の足跡《Berry's cafe版》
明日は準決勝。その準決勝で上位60名が決勝に駒を進める。同位3名いる59位ではギリギリの線。
「ユキ……?」
母が心配そうに私を見ていた。
「あ……何でもない」
箸が全く動いて無かった私を不思議に思ったらしかった。平静を装い、おかずに手を付ける。美味しい、やっぱり母さんの料理は一番だね、と言った。
「ユキ。どうするの?」
「な、何のこと?」
「もう気持ちの整理は着いた?」
八木橋のことを言ってるのはすぐに分かった。
「別に。あ、あんな奴……」
母は、ふうん、と意味ありげに笑った。
「別にって、そうなの?」
「そ、そうよ」
「八木橋さんって素敵よね、ハンサムだしキチンとしてるし」
「そう??」
「母さん、八木橋さんに告白してもいい?」
え?、ええっ??