雪の足跡《Berry's cafe版》
怒って雪を首に突っ込むわ携帯は投げるわ菜々子を泣かすわ、ユキならやりかねないな、と八木橋は私をからかう。八木橋流の支え方。きっとこれから先辛いことがあっても、八木橋ならこんなふうに何でも払いのけてくれると思った。追加のケーキが届いく。
「早く食えよ。板、見るだろ」
「あ、うん」
八木橋は二つ目のケーキを食べ終えると、私を真っ直ぐに見る。その表情は優しくて、私は少し戸惑った。
「な、何よ。私に見取れてる訳??」
「アホ」
「それともまだ食べ足りない訳?」
「ああ。やっぱりチョコケーキが食いてえな」
八木橋は、しばらく食ってねえし、と呟いた。