雪の足跡《Berry's cafe版》
一通り作って食べて、洗い物をしようとシンクの前に立つ。
「俺が洗う。爪が傷付くんだろ」
背後から八木橋の声がした。
「たった3日で」
後から抱きしめられた。あのときと同じシチュエーション、同じ言葉。
「たった3日で俺、あのとき結婚まで考えた」
八木橋は私を更にきつく抱きしめる。本当はきっとあのときにそう言いたかったんだと思った。
「たった3日で、俺、軽いか?」
私は首を横に振る。きっと私だってあのときにはそこまで惹かれていた。私を抱きしめる八木橋の大きな手に自分の手を重ねる。
「ユキ、一緒に生きていこう」
私は声も出せず、ただ頷いた。