雪の足跡《Berry's cafe版》
「俺もちゃんと話すからユキもちゃんと言えよ」
「あ、うん」
「本当に遠慮すんなよ。ユキが肩肘張ってるのは弱い裏返しだって分かったし」
「……ヤギ」
自分では弱いつもりも無かったけど、八木橋に言われてそんな気もしてきた。見透かされたようで上から目線の八木橋にムカついた。
「ヤ、ヤギこそ遠慮しないでよね」
「じゃあお揃いにするか」
「何を」
「車」
「へ??」
アホ、冗談だ、と八木橋は言った。でも寒冷地仕様の四駆に買い替えないと、と続ける。
式だけじゃなく、いろんなことを準備していく。不安に襲われることもあるけど、八木橋となら怖くないって思った。