雪の足跡《Berry's cafe版》
『本文:“アホって何よアホ、って何だよアホ!”って何よアホ!!』
『本文:“アホって何よアホって何だよアホ!って何よアホ!!”って何だよアホ!!!』
そんな馬鹿なやり取りを繰り返して、返って来たメール。
『アホ。』
「あ……」
たった一言、その一行の下に数字の羅列が記されていていた。“090”で始まる、11桁の数字……。
「ヤギの携帯番号……?」
携帯の画面の中で色が反転する数字。恐る恐るボタンを押して携帯を耳に当てる。僅かワンコールでつながった。
「アホなメール送るな」
「そっちこそ……」
八木橋の携帯とつながって、八木橋の声が聞けて、胸がいっぱいになる。言葉につまって沈黙してしまう。どうしていいか分からなくてそのまま携帯を耳に押し当てるけど、嫌な緊張感はなかった。無言でいてもホッとする安堵感。
「……ちゃんと帰れたんだな」
「うん」