雪の足跡《Berry's cafe版》

 叔父達は他の叔母まで誘う。あれよあれよと言う間に私は予約まで取らされ、年配者を連れてツアコンをする羽目になってしまった。更に久々にスキーをやりたいからスキーをレンタルして私に教わりたいと言い出した。


「でも教えたことはなくて」
「運転も案内もしてレッスンじゃ、ユキちゃん可哀想よ」
「スキースクール申し込むか」
「ス……」


 八木橋。


「ユキちゃん、スクールも予約してもらえるかい?」
「えっ」
「あ、スクール無いの?」
「いえ、あったと思います……」


 叔父達は余ったお節で酒を飲み、昔話に花を咲かせた。私は携帯を取り、スクールから送られたメルマガを開くとスクロールして八木橋の画像の下にあるスクールのアドレスの文字を反転させてボタンを押した。画面はスクールのホームページにつながり、そのトップ画像にも八木橋の姿が映されていた。青い空をバックに赤いウェアを着た八木橋がエッジを切って曲がる画像。私は画面を送り、申し込む。日付、人数、代表者氏名、幼児か小学生か中学生以上か、レンタルスキー・ウェア予約の有無などの設問に記入し、送信ボタンを押した。“受け付けました。折り返し確認メールを送付します”の表示が出て、携帯を閉じた。

 すぐにはスクールからの返信は無かった。もう店仕舞いした後だったのだと思う。叔父達には返事をもらい次第、連絡すると伝えた。しばらくして叔父達はそれぞれに帰って行った。




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