ただ、まっすぐに
わたしの頭はすでに、来人くんという存在でいっぱいだった。
それは、亜弥ちゃんにも伝わっていた。
「ねえ、栞。よかったら来人のメアド、教えようか…?」
「え…。でも…」
「来人、優しいから、全然大丈夫だよ。それに、まだ来人は栞のこと知らないでしょ?まだ、好きとかそういうのはおいといていいから、とりあえず連絡してみたら何かが変わるかもよ?」
亜弥ちゃんの言葉が胸に響いた。
わたしをなだめるように、優しい言葉をかけてくれて、微笑んでくれて。