理系彼女と文系彼氏(旧)
月見里君と私
「ねえねえ、理恵ちゃん。今日はどんな絵を描くのー?僕はね、理恵ちゃんの描く絵が大好きなんだ」
にっこり、と笑うと私の背中にもたれ掛かる彼。
淡い茶色、蜂蜜色というのだろうか淡い金髪の猫っ毛に蕩けるような薄茶のくりっとした瞳。
すらり、とモデルのように背が高く引き締まった体。
天使のようにも見えてしまう外見である。
その本性さえ知らなければ。
「昨日描いていた絵の続きですよ。月見里君、気安く名前で呼ばないでください。不愉快です。あと、重いので退いてください」
私の言葉に不満気に頬を膨らませはするものの案外素直に退いてくれた彼は。
月見里 文(やまなし ふみ)。
文系クラスの秀才だ。
私立稜媛(りょうえん)高校。
文理のコース選択が1年次に行われ、入学のときから文系、理系にクラスが分かれる学校。
私、水橋 理恵(みずはし りえ)は小さな頃からずっと数学が大好きで、もちろんこの学校では理系クラスに所属している。
そして、美術部に籍をおいている。
この高校は、個性を生かす教育がモットーで部活動の所属が生徒に義務付けられているのである。
個性を生かすなら帰宅部を作ってくれればいいのに。
私のような根っからの帰宅部気質の生徒なら誰しも一度は思っている突っ込みであった。
にっこり、と笑うと私の背中にもたれ掛かる彼。
淡い茶色、蜂蜜色というのだろうか淡い金髪の猫っ毛に蕩けるような薄茶のくりっとした瞳。
すらり、とモデルのように背が高く引き締まった体。
天使のようにも見えてしまう外見である。
その本性さえ知らなければ。
「昨日描いていた絵の続きですよ。月見里君、気安く名前で呼ばないでください。不愉快です。あと、重いので退いてください」
私の言葉に不満気に頬を膨らませはするものの案外素直に退いてくれた彼は。
月見里 文(やまなし ふみ)。
文系クラスの秀才だ。
私立稜媛(りょうえん)高校。
文理のコース選択が1年次に行われ、入学のときから文系、理系にクラスが分かれる学校。
私、水橋 理恵(みずはし りえ)は小さな頃からずっと数学が大好きで、もちろんこの学校では理系クラスに所属している。
そして、美術部に籍をおいている。
この高校は、個性を生かす教育がモットーで部活動の所属が生徒に義務付けられているのである。
個性を生かすなら帰宅部を作ってくれればいいのに。
私のような根っからの帰宅部気質の生徒なら誰しも一度は思っている突っ込みであった。
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