理系彼女と文系彼氏(旧)
球技大会と男子たち
球技大会。

七月に開催される一大イベント。

正直、私は憂鬱です。

「…………運動するなら、テストのほうがマシ」

「りーえー?何ふざけたこと言っちゃってるの?バスケ、計算は理恵の担当なんだからね?」

「わかってるって。私なんかより藤堂先輩のとこ行ってきなよ」

「えー?行っていいの?ありがと。あ、理恵。月見里は敵よ、馴れ合っちゃダメだからね」

いや、馴れ合わないし。

最後に特大のウインクと爆弾発言を置いて菜穂は藤堂先輩のもとに走っていく。

仲のよろしいようで。

計算、とは理系クラスらしすぎる球技大会必勝法。

バスケだろうが何だろうが計算に出来ないことはない!

と言う先輩方からのありがたい訓示を頂いた。

まあ、好都合だけど。

テストで一位をとった私はクラスの計算係として種目からは免除されている。

大の運動嫌いである私には好都合。

えっと、バスケットボールの直径が………………

「月見里ーっ!!いっけぇー」

文系クラスの声援が聞こえた。

練習だというのに随分と気合いが入ってるんだな。

ちなみに文系クラスの必勝法は物語に学べ、だそうで。

文系クラスの人たちがやたらとスポ根漫画を読み始めた理由がわかりました。

てか、先輩方。

絶対に適当なこと言っただけだよね。
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