理系彼女と文系彼氏(旧)
すっ、とスナップの効いた手首からボールが放たれ。
綺麗に弧を描いてゴールに吸い込まれる。
ダン、ダンッと体育館の床に落ちるボール。
ピーッ!!
ホイッスルの高い音が鳴った。
試合終了。
会場は拍手喝采で包まれる。
そんな中でも月見里君は私の方を向いて手を振る。
結果は74対22で一年文系の勝利。
本来なら悔しがるところなんだろうけど皆それどころじゃなくって暫く拍手の音は鳴りやまなかった。
「間もなく、全校生徒参加のドッチボールを開始します。生徒の皆さんは、グラウンドに移動をお願いします」
沈黙は無粋な放送で破られる。
ガガっというノイズの後、体育館には再びざわめきが戻ってきた。
ぶんぶん、と女の子たちに手を振られて苦笑する月見里君は私が知っている彼だった。
バスケをしているときの彼が泣きそうな顔をしていたのにいったい何人が気がついたんだろう。
「理恵?行くよ」
「あ、ごめん。急がなきゃね」
今日の放課後聞いてみよう。
私は菜穂について体育館を出た。
綺麗に弧を描いてゴールに吸い込まれる。
ダン、ダンッと体育館の床に落ちるボール。
ピーッ!!
ホイッスルの高い音が鳴った。
試合終了。
会場は拍手喝采で包まれる。
そんな中でも月見里君は私の方を向いて手を振る。
結果は74対22で一年文系の勝利。
本来なら悔しがるところなんだろうけど皆それどころじゃなくって暫く拍手の音は鳴りやまなかった。
「間もなく、全校生徒参加のドッチボールを開始します。生徒の皆さんは、グラウンドに移動をお願いします」
沈黙は無粋な放送で破られる。
ガガっというノイズの後、体育館には再びざわめきが戻ってきた。
ぶんぶん、と女の子たちに手を振られて苦笑する月見里君は私が知っている彼だった。
バスケをしているときの彼が泣きそうな顔をしていたのにいったい何人が気がついたんだろう。
「理恵?行くよ」
「あ、ごめん。急がなきゃね」
今日の放課後聞いてみよう。
私は菜穂について体育館を出た。