理系彼女と文系彼氏(旧)
…………ひゃ、100点。

はは、世の中には色々な人がいるんだな。

少し落ち込みながら教室に向かおうとすると。

ドンッ。

誰かにぶつかった。

「あっ、すみません!!」

「んー、平気へーき。って、もしかして君。水橋さん?」

名前を呼ばれて顔をあげると薄茶色の瞳と目が合った。

「あ、はい?水橋です、けど」

にこ、と無邪気な天使のような笑み。

「僕は、月見里 文。ねえ、よかったら僕と付き合ってくれるかな?」

月見里って、100点の?

じゃなくって、え?

付き合って?

「何処にですか?」

そういうと明るくってふわふわの髪をわしゃわしゃと掻いて苦笑する。

何しても絵になるなー。

「んーっと。……じゃあ、こっち来て?」

ぎゅっと手首を掴まれ人気のない方につれていかれる。

?、どうしたんだろ。

「こういうことする関係になってくれるってこと、なんだけど」

くい、と顎をあげられる。

驚く間もなく甘い香りに包まれ唇には柔らかい感触。

キ、ス。

多分一瞬だったんだと思う。

何分にも感じたけど。

反射的に彼を突き飛ばして逃げた。

それが私と彼とのファーストコンタクト。

いや、本当に。
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