理系彼女と文系彼氏(旧)
「理恵ー。これはどーう?」

カララーっと試着室のカーテンが開く。

出てきた菜穂が着ていたのは。

明るい橙色のビキニ。

私達は今、水着を買いに来ていた。

「一番あたしらしい色って言ったらこれかな、って。名前は深緑だけどねー」

確かに。

一番菜穂らしい。

日焼けで少し色付いた肌にオレンジ色が眩しい。

「で、理恵は何買うわけ?」

ぎくっ。

「す、スクール水着じゃ。駄目?」

「駄目。に決まってんでしょーが!!仮にも彼氏との初お・と・ま・り!」

で、ですよねー。

怒鳴った声がフロア中に響いて慌てて菜穂は声を潜める。

「とりあえず。気に入ったの持ってきてよ」

「はぁーい………」
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