理系彼女と文系彼氏(旧)
「誰ですかー?」

インターホン越しに月見里君の声が聞こえた。

「月見里君、私です。水橋です」

「あっ、理恵ちゃん。おはよ。ちょっと待ってて、今開けるから」

その言葉と同時に中でバタバタと走る音。

少し遅れて玄関の扉が開く。

ん?

少し違和感。

あ、もしかして。

「月見里君、髪の色、濃くないですか?」

いつもの蜂蜜色よりも濃い茶色な気がする。

私の質問に彼はビックリしたように髪に手をやった。

「えっ!?嘘、マジかぁ。染め忘れたっぽい。理恵ちゃんに会うのに、僕のバカぁ」

うわー、と頭を抱える月見里君。
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