ポケットダーリン
すぐに叶人が家に転がり込んできて、同棲がスタートした。
最初は信じてなどいなかった。
金の切れ目が縁の切れ目。
だからこそ、お金で繋がっている関係が楽だった。
自分が傷付かなくていいから。
女も、きっと他に山ほどいるだろう。
本カノ、色カノ、趣味カノ、宿カノ…
枕もいっぱいしてるんだろうな。
あたしは何カノになるのかな…。
フゥ、と溜め息を吐き、隣で寝ている叶人の髪を撫でた。
「ん‥」
寝返りを打ち、あたしを無意識に抱き寄せる。
ふっと笑顔が込み上げてきた。
「ま、いいか」
そう呟いて、あたしも眠りについた。