おかしな国のアリス
「さて…」
私は今、究極の二択問題を目の前にしている。

「…右か、左か…」

うんうん唸るアリスに、兎が言った。
「…左ですよ、アリス…」
「え?なんで?」
「…行った事あるので…」
「…」
この兎は…
行きたくないからさっき一緒に悩んでたのか…
まったくもう!
怒りを含んだ目でにらむと、兎はしゅんとして言った。
「…あの人…苦手なんですよ…」
「まったく…仕方ない人ね、白兎は。」

そんな事を言ったアリスだが、すぐに白兎の気持ちが分かる事になる。
< 10 / 60 >

この作品をシェア

pagetop