おかしな国のアリス
私が怪訝そうな顔をすると、白い彼は懐中時計をちらりと見て、
「ですよね…では…説明いたしましょう…」彼は私の腕を離し、状況を説明し始めた。

…要約すると、
なんだか、最近アリス『達』の血が薄れてきてるみたいで、私を導く猫…チェシャ猫は特に酷いらしく。
『アリス?しったこっちゃない!先代の真似なんかごめんだね!』と言って行方を眩ましてしまったらしい。
…なんて身勝手な。
ちなみにこの白い彼はやっぱり白兎らしい。
…人間だったかな

「…というわけで」
一通り話し終えた兎はもう一度言う。
「さあ、アリス。
猫を追いかけましょう。」
< 2 / 60 >

この作品をシェア

pagetop