おかしな国のアリス
――がさ、がさがさ
「?」
―がさがさ、ぱきっ
「……」
…絶対に、なにか居る。
――がさがさ
「…」
過去の経験から、ちょっと怖くなって、私は兎に話しかけた。
「し、白兎…」
「なんですか?アリス。」
白兎は歩みを止め、くるりと私を見る。
「…あの」
ちょっと言うのをためらっていると
「…ああ」
と 何か思いついたように声を出した。
「おトイレですか」
「セクハラですか」
考えてみたら…この兎の耳で、あの音が聞こえないなんてことはない…よねぇ…。
じゃあ、危険じゃないってことなのかな?
…ちょっと、安心。
そうしてると、兎が冗談ですよ、と言って
「で、どうかなさいました?」
「うん…あのさ」
やっぱり私たちをつけているのか、物音はあまりしなくなった。
「後ろ…だれか、付いてきてるみたいなんだけど…」
首を回して後ろに目を配りながら言う。
兎はああ、と笑って
「三月うさぎ…ですね」
がさ。
「三月うさぎ?…ああ、自分の誕生日以外が好きな…」
「そうです。まあ…彼は特殊ですが。」
言うと、三月うさぎ、兎が呼んだ。
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