おかしな国のアリス

◇森を抜けよう

そんなわけで。
私と白兎、それから三月うさぎというパーティで森に入る。
「はぁ…」
物語が云々とか、もうどうでもよくなってきたかも…。
なんでアリスが白兎と三月うさぎと一緒に冒険しなきゃいけないの…
「運命だよ!」
「…はい?」
び、びっくりした…
ここの人って、みんな読心術使えるの?
「はい?じゃなくてねアリス!」
なんでいきなりハイテンション…?
「この空気…この木々に出会えたのは奇跡が生んだ運命なのだよ!」
「ごめん、全くもって理解できない。」
森が好きなのかな…
「アリス」
私の後ろを歩く白兎――森のことは三月うさぎの方がよく知ってるから最後尾――が、ちょいちょいと私の肩をつついた。
「なに?白兎。」
「彼、生まれも育ちもこの森なんですよ。」
「…ふーん…」
だからか…。
三月うさぎは興奮しながら森を突き進んでいく。
道、把握してるのかな?
私は嫌な予感しかしないけどね…
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