おかしな国のアリス
「あとどの位で抜けられるの?」
さっきからカエルやらなんやらがしつこく話しかけてきて、だんだんいらいらしてきた私が問う。
「えっとねー…」
興奮が治まった三月うさぎは辺りを見渡して言う。
「…あれ」
…ほらきた…
「……あ、あと10分くらいかなっ…」
嘘つけ…!!
「…ふぅん…それにしては、城の見え方がさっき全然と変わらないんだけど。」
「ギクッ」
…。
私は溜め息をつく。
「迷ったなら迷ったって言えばいいのに…」
「…そしたらアリス怒るでしょ?」
「当たり前よ」
三月うさぎはうえーんやっぱりーとか言って泣き真似する。
それを見て、私はもう一つ溜め息。
「嘘つく方がタチ悪いよ…。」
「うぅぅ…」
うさぎはしゅんとうなだれた。
すると
「アリス逃げて!」
白兎の声。
ビュッ!
タンッ!

この音…前にも似たようなのを聞いた気が…
…確か…
「…帽子屋さん…」
ビュビュッ!
シタタッ!
閃光。閃光。閃光。
「な、なな」
ナイフ!!!
「アリス!!早く逃げて!!」
白兎の声が少し遠くから聞こえる。
私は、竦む足を無理やり動かし木の影に隠れる。
「逃がしません」
「!!」
木の上から見知らぬ…いや、どこで聞いたことのある声。
「やっと…終えられる…」
…まさに絶体絶命…
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