おかしな国のアリス
「な…」
「さ、早く」
手を乱暴に繋がれ、ひっぱられながら歩く。
「ち、ちょっと!」
「なんですか、アリス?」
歩みを止めずにトランプ兵。
「なんですかじゃないわよ…!あなた敵じゃないの!?」
「はて、そんなこと言った覚えはありませんが」
「じゃあどうして刃物持って追いかけてきたのよ!」
「アリスが逃げるからです。」
「私のせい!?」
なんなのよ!
意味分からない…
味方なの?
でも…
「ちょっ…ちょっと…止まりなさい!」
私が言うと、トランプ兵はピタッと歩きを止めた。
手を離してくるりとこちらを向く。
「なんです?」
「あの…」
そんなににっこりほほ笑まれても…
「あの…そんな急に言われても、私…あなたを信用できないわ。」
「おやおや」
少しびっくりしたような顔をするトランプ兵。
「ならば、このわたくしの誕生秘話をお話しましょうか。」

…なんでそうなる
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