おかしな国のアリス

「さ、アリス！どんどん参りましょう！」

…私の気分と裏腹に、兎は凄く楽しそう。
…黙ってたら格好いいんだけどね…
「ん～…じゃあ次は…」
きょろきょろと辺りを見回しながら、楽しそうに兎がいう。
「アリスはなにがいいですか？」
…いきなり聞かれても。
しかもその子供みたいな無邪気な笑みは何…
そんな風に思いつつ、苦笑いをしていると、兎ははっと我にかえったようで。

「ごほん」

と、咳払い。
いや、ごほんじゃないよ…兎さん…
「…それにしても困りましたね」
兎は正気を取り戻したらしい。
「本当にね」
困ったのはお前の思考回路だよ、とつっこみたいのを我慢して、私が返すと。
「誰に聞けばいいのやら…」

…つっこんどけばよかった。