【短】愛のひかり
≪5≫
こうして新たに始まった生活は、忙しくも張りのあるものだった。
初めのうちは泣いてばかりいた千絵ちゃんも、しだいにこの家での生活に慣れていった――。
子どもというのはなんて愛くるしいのだろう。
毎日新しい発見があり、そのたび思う。
瞬間ごとに変わる表情や、舌足らずな話し方。
生えそろった小さな乳歯もたまらない。
膝の上で眠ってしまったときの、無防備な重み。
支える私の腕がじんじんと痺れ、それさえも愛おしかった。
一年が過ぎた頃、
私はあの子を“千絵”と、そしてあの子は私を“ママ”と呼ぶようになっていた。
この頃から千絵は何かにつけて、私の真似をしたがるようになった。
「パパのお洋服、千絵がたたむの!」
取り込んだ洗濯物を畳んでいた私の横に、ちょこんと千絵が座る。
「じゃあお願いしようかな」
と答えると、その言葉に満足気な顔。
そして彼のパジャマを床に広げ、私を手本にしながら畳み始める。
おぼつかない手つきで大人と同じことをする姿が可愛らしく、見ているだけで頬がゆるんだ。
「できたよ!」
「すごい、上手だねえ!」
初めのうちは泣いてばかりいた千絵ちゃんも、しだいにこの家での生活に慣れていった――。
子どもというのはなんて愛くるしいのだろう。
毎日新しい発見があり、そのたび思う。
瞬間ごとに変わる表情や、舌足らずな話し方。
生えそろった小さな乳歯もたまらない。
膝の上で眠ってしまったときの、無防備な重み。
支える私の腕がじんじんと痺れ、それさえも愛おしかった。
一年が過ぎた頃、
私はあの子を“千絵”と、そしてあの子は私を“ママ”と呼ぶようになっていた。
この頃から千絵は何かにつけて、私の真似をしたがるようになった。
「パパのお洋服、千絵がたたむの!」
取り込んだ洗濯物を畳んでいた私の横に、ちょこんと千絵が座る。
「じゃあお願いしようかな」
と答えると、その言葉に満足気な顔。
そして彼のパジャマを床に広げ、私を手本にしながら畳み始める。
おぼつかない手つきで大人と同じことをする姿が可愛らしく、見ているだけで頬がゆるんだ。
「できたよ!」
「すごい、上手だねえ!」