coconut
「わかった。今までありがとう。」

本当は全然分かってなかった。
分かるわけないじゃん…。

大好きな男性に言われる、突然の、
別れを受け止められるひとなんて
居るんだろうかと思う。

耕輔はいつも、ちゃんと考えて
行動する男性だった、気がする。

年上で、お兄ちゃんみたいで、
正しいことを正しく言う男性。

私の考えがおかしかったとして
そういう時も、丁寧に優しく
私にコドモに言うみたいに言う。

2年と少しみていた、耕輔の姿。
一番耕輔の側で耕輔を見ていた。

だからきっと…
私が何を言っても聞かないと
なんとなくわかっていた。

別れる理由もきっと…
私が納得できることなんて
あるわけないもん。

冷静に判断できる私が居た。
どこかで何かのドラマのような
自分のストーリーだと思わなかった。

誰より、耕輔が大好きだった。
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