coconut
「合鍵はいつか取りにいくよ。
だから…少し持ってて。」

失恋って、簡単にできるんだと
改めて知った日だった。

耕輔のなかでは完結していて
私のなかでは突然終わった恋。

嘘だったらいいのに…。

耕輔と別れてから…自然に
…もう、逢うことは無いんだと
頭のどこかでは分かっていた。

ヒトリになった時…心が…
涙となって感情を表してきた。

あとはずっと…ボーッとしていた。

なのに、あ、明日仕事行かなきゃ、
アレとコレ…しながらコレして…と
仕事のコトを考えていた。

仕事終わったら
どうやって帰って来よう。

耕輔の家に行こうと思ってたのに
行く理由、意味もない。

どんな料理作ってあげようとか
なんとなく考えてしまっていた。

もう、誰かを好きになる心、
私には少しでも残ってるのかな。
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