coconut
私はもう耕輔の合鍵を持つ
資格も権利もないから
バーテンダーのひとに渡した。
いつかこの場所に耕輔も来る。
例えば連絡がついても…
あのバーに置いてきたと言えば
それで足りることになるし、
ここのバーテンダーの男性は
何故だか信頼できる男性だった。
耕輔に逢いたいけど、
逢わない方がいいと思っていたし
何より耕輔は私に逢いたくない
と、思う。
理由は何も聞かなかったけれど
きっと新しい彼女ができたんだ。
私より素敵で、私より…私より。
…耕輔の合鍵をバーテンダーの男性に
渡したら、心が軽くなった。
昔読んだ、梶井基次郎の「檸檬」を
丸善の本屋の本に置いたみたいな
心がふっと軽くなった。
もう、耕輔と逢わなきゃいけない
理由は一つもなくなった。
耕輔は私に…
こうしてほしかったんでしょ?
資格も権利もないから
バーテンダーのひとに渡した。
いつかこの場所に耕輔も来る。
例えば連絡がついても…
あのバーに置いてきたと言えば
それで足りることになるし、
ここのバーテンダーの男性は
何故だか信頼できる男性だった。
耕輔に逢いたいけど、
逢わない方がいいと思っていたし
何より耕輔は私に逢いたくない
と、思う。
理由は何も聞かなかったけれど
きっと新しい彼女ができたんだ。
私より素敵で、私より…私より。
…耕輔の合鍵をバーテンダーの男性に
渡したら、心が軽くなった。
昔読んだ、梶井基次郎の「檸檬」を
丸善の本屋の本に置いたみたいな
心がふっと軽くなった。
もう、耕輔と逢わなきゃいけない
理由は一つもなくなった。
耕輔は私に…
こうしてほしかったんでしょ?