coconut
…もう酔っていて、覚えてない。

ただマリブパインがおいしくて
心が軽くなって…くらくらした。

バーを出てヒトリで歩いてる時も
耕輔が浮かんで仕方ない。

いつも…大好きだったから…。

一歩一歩歩いてるのは
どこに向かって歩いてるんだろ。

家に着いても、ベッドに入っても
耕輔が頭から離れない。

2年と少し一緒に居たから
2年と少しずっと好きだったから
思い出すのが毎日だったから
思い出すのは仕方ない。

そう思いながら目を閉じても
やっぱり浮かぶのは耕輔だった。

好きだったのに。

別れを簡単に決めたことも
理由を聞かなかったことも
後悔はしていない。

少しずつ忘れていこうとしても
耕輔は私にまとわりついてきた。

携帯が何かを受信していた。
「亜樹、ちゃんと合鍵もらったよ。」
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