鉄の薔薇姫
「葡萄酒のせいか、とても戻る気になれません」


ずいと上司に顔を近付ける。

シアが逃げずにそこに座っているので、レンカはその唇に自らの唇を重ねた。
シアの唇は同じ葡萄酒の味が更に甘やかに香った。


「そりゃ、葡萄酒のせいじゃないな。ただの飲み過ぎだ」


相変わらずの冷たい言葉を吐きながら拒否しないシアの態度を、レンカは合意と取る。

再度唇を寄せ、そのしなやかな身体を支え、ベッドに横たえた。



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