鉄の薔薇姫
現在、シアは先頭を駆け、その後をレンカら遊撃特殊が追う形だ。
残りの班は副隊長と半里ほど後方であろう。

それほどシアの操馬は秀でている。
遊撃特殊の兵は誰一人遅れをとることはあってはならない。

この精鋭部隊は、シアのために、遊撃隊統括隊長のリルアム・ユースが設定した部隊だ。
レンカは一年前に新兵試験に合格し、そのままこの遊撃特殊に引き立てられた。



急な斜面を一気に駆け降りると、そこは大休止の予定地である草原地帯だ。

日は中天からやや傾いた頃。

やがて300名が全員到着し、本日唯一の休憩となった。
馬に草を食ませながら、携帯食と水で遅い昼食を広げる。

ふとレンカに影がかぶさった。
振り向くと、そこにシアがいた。
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