黒蝶
『なにを言っているんだ‼︎』

父親は母親に手を上げていることをこの頃知ったんだ。
その時の俺は何もできなかった。

『ごめんなさい……和幸より私を実験道具にして下さい………』

『お前を実験道具?それはいい考えだ。今度からあの部屋に来い』

『はい…』

父親は機嫌がよくなったのか、自分の部屋に戻った。

『まま‼︎大丈夫?』

いても立ってもいられなくなった和幸。
母親の元へと駆けつけた。

『和幸……いたの?ままは大丈夫よ』

『…うん』

『寝ましょう?』

『うん‼︎』
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