黒蝶
この日が母親と最後の会話だった

この時、俺は母親を助けることが出来なかった。
…いや、しなかったんだと思う
俺の中にやっと実験道具にならなくてよかったって心がどこかにあったから…

『おはよ…』

リビングに行っても誰もいない。
そして…例の部屋に和幸は行った

『あなた…痛い……痛いわ‼︎』

『そうか、それでどうした?』

『いえ……それだけです…』

当たり前だ。
和幸にはしっかりと麻酔を打っていたが、母親には打っていなかった

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