黒蝶
「寒くないか、椿?」

「…」

椿は、小さく頷いた。
頭が恭弥の背中に触れていたので頷いたのは分かった。

(東京か…あそこは危険なんだよな…)

それもそのはず、東京は大虎組派と龍皇組派とバラバラになっている…
しかし、恭弥はどうしてもいい服を着せてやりたかった。

「着いたぞ。よし、迷子になんじゃねぇ〜よ」

バイクからおりスタスタと歩いていく恭弥
もちろん、歩くのが早いのは恭弥である。
そのため、歩いてるうちに差が出てしまう。

それに気づいた恭弥は…

「ごめんな、早かっただろ?迷子にならないようにでも俺の服の裾でも持ってな」

椿は大人しく恭弥の服の裾を持った。
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