妄想ガール★ドキドキXmasラブ
事が終わると、日菜子は少し放心状態だった。
そして「あたし幸せ…」と独り言のように呟く。
そんな日菜子にふっと笑みを見せると、日菜子はハッとした顔をして言った。
「この後にさ、私がこうやって放心状態になってるところに、サトルが枕の下から「はい。安もんだけど…」って指輪を出してーー」
また、始まった。日菜子の妄想が。
うんざりしていたこの妄想が、今はとても愛おしい。
だから、俺は妄想話しを続ける日菜子を横目に枕に手を伸ばす。
そして、箱から出して隠しておいたシルバーリングを日菜子の目の前に差し出した。
「うそ…」
日菜子は、シルバーリングを見てとても驚いた顔をして涙を浮かべる。
「高かったんだから大事にしろよ」
「ちょっ!違うって!安もんだけど…でしょ!?ロマンチックじゃなーい」
「バイト代、ほとんど使ったっつーの。感謝しろ!」
「さいてー!」
やっぱ、日菜子の妄想ばっかりに付き合ってられねー。
少しはこっちも主導権握りたいっつーの。