妄想ガール★ドキドキXmasラブ
「ーール。サートールっ!」
日菜子の声で、夢の中から現実に引き戻された。
講義の最中に寝てしまったらしい。
「あー。やべ…寝てた」
「もう。サトルったら起こしても起きないんだからっ」
両手を腰に当てて、ぷぅっと頬っぺたを膨らませて日菜子は呆れたように言う。
しかし、その顔はすぐにいつもの明るい笑顔に戻った。
「まぁ、いいや。ねぇ〜これから買い物行こうよ〜。
買い物行って私が「あーん。もう歩けない〜」って言ったら、サトルがさーー」
あぁ、入ったらしい。妄想スイッチが。
寝起きの頭に、日菜子の甲高い声は響く。
「そんで、あそこのパンケーキ食べてさぁ〜」
うるさい。頭に響くんだっつーの。
「でで、夕飯はサトルの好きなカルボナーラ食べようよ!そこの店員さんが超可愛いんでしょー?」
うるさい。うるさい…
「で、サトルがその店員さんを「可愛い」って言うんだけど、怒った私にーー」
「ああ!もう!うるさいっつーの!」