妄想ガール★ドキドキXmasラブ
講堂に俺の馬鹿デカイ声が響いた。
帰り支度をしていた奴らが揃って俺の方を見ている。
けれど、体力は限界で甲高い声が癇に障るってしまい、
俺は日菜子に浴びせる罵声が止まらなかった。
「妄想ばっかしてんじゃねーよ!
せっかく今日はバイト休みなんだから、一人でゆっくり寝かせてくれよ!
それくらいの配慮も出来ねーのかっ!お前はっ!」
ハッと我に返った時には、全て後の祭りだ。
日菜子は驚いた顔をして、俺を見つめている。
その目には涙すら溜まっていなかった。
「…ひ、ひなこ?」
「…最近、サトル忙しそうだったから…今日は何か元気付けられたらと思ったんだけど、迷惑だったんだね」
「日菜子、違うーー」
「何が違うの?…ごめんね。妄想ばっかしてて。もうサトルなんか知らない。バイバイ」
長い髪をふわりと揺らして、日菜子は講堂を出て行ってしまった。